内視鏡検査には、食道から胃・十二指腸までを観察する上部消化管内視鏡検査と、肛門から内視鏡を入れて大腸を観察する下部消化管内視鏡検査とがあります。どちらも検査自体はそれほど時間はかかりませんが、内視鏡のついた管を体内に入れての検査となるため、検査を受けた後にも注意しなければいけないことがあります。そこで検査後にどういったことに注意をすればいいのか詳しくご紹介します。

胃カメラの検査後に注意すること

胃カメラの検査を受けた後の注意点を見ていきましょう。

麻酔をかけるため検査後は自動車等の運転はしない

経口内視鏡ではのどに麻酔をします。また鎮痛剤を使用する場合や、全身麻酔をして検査を受けることも可能です。そのため検査後に自動車やバイクの運転、そして自転車も運転はすることができません。眠気が出る場合もありますし、麻酔で手足が軽くしびれることもあります。危険なので病院の行き来は公共交通機関を利用することが必要です。

唾液等で服が汚れる可能性もある

検査中は口を開けたままにするため、唾液が出ます。検査台にはタオルが敷かれており、ティッシュも用意されていますので唾液は飲み込まずそのままにするよう指示されます。ただ、人によっては唾液が伝って服が濡れることもあります。心配な場合は後で着替えることも考えて服を用意しておく、またタオルを持参することもおすすめです。

経鼻からの場合は鼻血が出ることもある

鼻から管を入れて検査をする経鼻内視鏡検査の場合は、鼻の粘膜に管が擦れるため出血して鼻血が出ることもあります。安静にしていれば血は止まりますので問題はありません。ただ安静にしても血が止まらない場合、痛みがある場合には早めに申し出て見てもらうようにしましょう。

検査後1時間は飲食は控える

のどに麻酔をしているため、検査後1時間程度は刺激を与えないようにすることが必要です。水分は補給する必要がありますが、刺激になるものは飲まないようにしましょう。また検査時に組織を採取した場合は、1日程度は刺激物を食べないようにします。

大腸カメラ検査後に注意すること

大腸カメラ検査は、検査前に腸を綺麗にするなど事前準備が必要なため、検査後にも注意すべき点がいくつかあります。詳しく見ていきましょう。

検査当日は自動車等の運転はしない

大腸カメラ検査では、検査時に痛みを感じることのないよう局部麻酔をします。また腸をふくらませるためのガス(炭酸ガスなど)を入れます。そのため検査後は自動車、バイク、自転車の運転はできません。

検査後には横になって安静にする必要がある

大腸カメラ検査では検査後ガス抜きなどで1時間程度安静時間が必要となりますので、検査の日は余裕を持って用事を入れないようにすることも必要です。

おならは我慢しない

腸をふくらませるために炭酸ガスなどを入れるため、検査後はお腹が張ります。恥ずかしいかもしれませんがおならを我慢すると逆に危険です。安静にしている間にしっかり出すようにしましょう。

運動は避ける

検査後は激しい運動などは禁止です。1~2日は安静に過ごすことが必要です。

当日の入浴はしない

雑菌などが入る可能性がありますので、検査後はシャワーだけにするようにしましょう。多少出血することもありますが問題はありません。出血が続く、痛みがある場合には早めに診察を受けるようにしましょう。

ポリープの切除をした場合や組織を取った場合は1週間は刺激物を摂らないようにする

大腸カメラ検査では、検査中にポリープをレーザーで焼き切ったり、必要となる組織を取って検査をすることがあります。この場合は医師から指示がありますので、それに従い、食事も刺激物を避けるようにしましょう。腸が正常な状態に戻るまでには最低でも1週間は必要です。この間は体に負担になるようなことはしないようにすることが大切です。