大腸カメラ検査は、消化器官の検査の中で体の下部からカメラを入れることから下部消化管内視鏡検査ともいわれます。食道・胃・十二指腸までは胃カメラの検査で全て確認が可能ですが、大腸は長さが2メートルあり、曲がった部分もあるため別の検査となります。また胃カメラ検査と大腸カメラ検査の一番の違いは、腸を完全にきれいにする必要があることです。胃カメラの検査の場合も前日から絶食をしますが、大腸カメラ検査の場合は絶食だけをしても完全に腸がきれいになることはないため、検査の前に腸の洗浄が必要となります。そこで大腸カメラ検査を受ける際にどういった流れややり方で行われるのか詳しくご紹介します。

大腸カメラ検査の流れ

大腸検査を受ける場合の流れを順に見ていきましょう。

1.診察・予約をする

人間ドックでの大腸検査は便潜血検査が一般的です。2日分の便を採取し、血が混じっていないかを検査するものですが出血がある場合にはかなり病気が進行していることがほとんどです。そのため特に自覚症状がないとしても大腸カメラ検査を受ける必要があります。事前に病院やクリニックで診察を受け、予約をします。この時に服用中の薬について聞かれますので、お薬手帳などを持参しましょう。予約が決まったら検査前日からの諸注意と下剤を処方されます。検査の前に腸を完全にきれいにしないと内視鏡が入りません。腸の洗浄については、錠剤と液体があり、家で検査前日に飲んで家で排便をある程度済ます方法と、病院で洗浄をする方法とがあります。

2.検査前日は17時頃までに食事を済ませる

腸に内容物が残ることのないよう、早めに夕食を済ませます。できれば検査前日は朝昼晩と消化の良い食事をするか、検査食を食べるようにします。普段から便秘気味の人の場合は3日前ぐらいから消化の良いものに食事を切り替えるようにしましょう。

3.夕食後からは絶食する

検査のために就寝前に下剤を飲みます。食事はできませんが、水分は摂取してもかまいません。自宅での腸洗浄、また病院での腸洗浄、どちらの場合も水分をしっかり取ることが必要となります。できるだけ水は飲んでおくようにしましょう。

4.排便を済ませてから病院に行く

大腸カメラ検査の場合、麻酔をしますので自転車や自動車、バイクで病院に行くことはできません。また下剤を飲みますので時間に余裕を持って病院に行きます。自宅で下剤を飲んで腸洗浄をしてから病院に行く場合は、検査時間に余裕があるよう設定されていますので排便を済ませるようにします。病院での腸洗浄の場合、検査の前日と当日に分けて下剤を飲みます。ある程度家で排便を済ませておけばすぐに便意を催すことはありませんので、医師の指示通りに病院に行くようにしましょう。また便秘気味で朝排便がなかったとしても時間通りに病院に行くようにします。

5.病院で再度便をチェックしてもらう

病院では検査着に着替えることになりますので、脱ぎ着のしやすい服装で行くようにします。病院では前処置として腸をきれいにする薬を飲みます。合計で2リットルほど飲むことになりますが、複数回に分けますので心配はいりません。何度かトイレに行き、便の状態を看護師にチェックしてもらいます。水のような便になったら前処置は終了です。

6.検査着に着替える

検査着に着替え、順番を待ちます。

7.検査室での前処置

検査台に横になり、鎮痛剤を注射してもらいます。また内視鏡を入れる肛門周辺の局所麻酔を行います。その他腸の緊張をやわらげる効果のある鎮痙剤を注射する場合もあります。腸をふくらませるガスを入れます。

8.検査開始

内視鏡を入れて検査を行います。モニターは医師が見ますので、検査中は横になっているだけでかまいません。検査自体は個人差もありますが15分から30分程度です。

9.検査終了

検査が終わったら1時間ほど安静にして腸に入れたガスを抜きます。その後医師から腸内部の写真と共に説明を受けます。